ネット社会と言われる今、私たちの生活は大きく様変わりし便利な世の中になっている反面、思いがけないトラブルに巻き込まれてしまう可能性も秘めています。
インターネットの利用によるトラブルには様々なものがありますが、なかでも個人情報が盗み取られることによって起こるトラブルは深刻で、時には金銭を騙し取られるといった被害に遭うことも少なくありません。
ここでは、出会い系サイトにおける個人情報の取り扱いについて書いています。
個人情報とは?
個人情報とは何か?と問われたら、多くの人たちからは氏名や生年月日、そして住所や家族構成といった答えが返ってくるでしょう。
個人情報保護法では、個人情報を「生存する個人に関する情報」そして「特定の個人を識別できるもの」と定義しています。
ですから、これらの答えはすべて正解となるわけですが、実は個人情報はもっと広い範囲が該当するのです。
たとえば、個人の病歴や通院歴、さらには個人が購入したもの、そして前科や交通違反歴なども個人情報として取り扱われています。
もちろん、これらの情報は自ら公表しない限り他人に知られることはありませんが、世の中にはそういった情報を知りたがっている人たちや企業がたくさんいるのです。
個人情報を知りたがる人たち
では、どのような人たちや企業が個人情報を知りたがっているのでしょう。
実は、いま世の中ではあらゆる分野の人や企業が個人情報を欲しがっているのです。
たとえば、個人の病歴や通院歴は生命保険会社にとっては新たな保険商品を開発するにあたっての情報になりますし、個人が購入したものはデパートや販売店あるいはネットショップにとっては販促のための大きな情報になるのです。
そのため、各企業では必要な情報だけを収集するために氏名は公表せず、年代だけは記入してもらう形でアンケートを実施することがあるのです。
…と、ここまではある意味世のため人のために役立つ個人情報の収集になりますが、個人情報を知りたがっている人たちの中には悪意を持った人たちも多く、流出した個人情報が詐欺や犯罪の基になるケースも少なくないのです。
ですから、ネット上で個人情報を求められた場合は、相手がどれくらい信用できるか?どの程度までの個人情報なら教えることができるか?ということを考えたうえで慎重に行動する必要があるのです。
個人情報の流出を抑えるには限界がある
個人情報の取り扱いは慎重に…といっても、今はネット社会と言われる世の中。
ショッピングサイトや予約サイトなど、ネット上では個人情報を要求されるケースは少なくないですよね。
そのような中で、自分で個人情報の流出を抑えることはできるのでしょうか?
こたえは、ムリです。
最近のニュースでも、大手企業がランサムウエアの被害を受け、従業員や顧客の個人情報さらには企業秘密などが盗まれるということが事件が起きていますし、少し前にはマッチングサイトでの個人情報の流出も起きています。
このように、外部からの攻撃や企業のセキュリティの脆弱性によって個人情報が盗まれるケースが起きている以上、自分自身で個人情報の流出を抑えるには限界があるのです。
最低限できること
ネット上で登録した個人情報を完全に守り抜くのは、個人的には無理です。
しかし、最低限できる事はあります。
それは、個人情報は信頼できるサイトにしか登録しないこと。
そして、登録する個人情報は必要最小限視することです。
いま、個人情報を取り扱う企業やサイトでは、プライバシーポリシー(個人情報を保護するための方針)を掲げています。
ですから、個人情報を要求される場面では、その企業が掲げるプライバシーポリシーを必ず確認するようにしましょう。
出会い系サイトで気をつけること
出会い系サイトも個人情報を要求されるサービスのひとつになります。
たとえば、氏名こそ公表しないものの年代や住んでいる地域、そしてサイトとのやり取りや着信を知らせるためのメールアドレスは最低限登録しなければいけません。
氏名は公表しないとは言え、年齢認証の際に運転免許証や健康保険証さらには個人番号カードの写しをそのまま送れば、氏名を含めた個人情報は丸裸になったも同然です。
また、年齢認証でクレジットカードを使用した場合でも、カードの名義人として氏名が知られることは承知が必要です。
ですから、出会い系サイトも本当に信頼できるサイトを利用することが大切です。
また、出会い系サイトの場合は登録時だけでなく、会員同士のやり取りの中でも個人情報の取り扱いには注意が必要になります。
先にも書きましたが、世の中には悪意を持って個人情報を欲しがっている輩はたくさんいます。
ですから、メールのやり取りが始まってすぐに直アドや電話番号の交換を持ちかけられた場合は注意が必要です。
正規の会員と直アドや電話番号を交換すれば、その後はいちいちサイトにログインする必要がないのでやり取りはスムーズになりますが、直アドや電話番号を交換した相手が悪意を持った輩だった場合は、詐欺メールや不正請求の危険性が増すことになります。